生活期のリハビリテーション医学・医療は高齢社会を背景にした地域包括ケア体制の推進に伴い一層の充実が求められるようになりました。しかし、その提供体制については課題が山積しており、とりわけ質の向上に関して医師の関与の重要性が指摘されておりました。これを受け、公益社団法人日本リハビリテーション医学会の支援をいただき、同医学会のサブスペシャリティ的立場の学術団体として「一般社団法人日本生活期リハビリテーション医学会」が設立されました。
急性期医療の進歩そして急性期のリハビリテーション医療の普及と充実、回復期リハビリテーション医療の質の向上も図られ、住み慣れた地域への退院が促進されるようになりました。それに伴い、生活機能を維持・向上させ地域で安心・安全に暮らし続けて行くことを支える生活期のリハビリテーション医療の重要性も増してまいりました。また、地域でリハビリテーション医療を必要とする方は高齢者や急性発症の疾患・外傷ばかりでなく、障害児、難病患者、内部障害患者、がん患者など多岐にわたっております。生活期におけるリハビリテーション医学・医療に対して多方面からの期待が高まる中で、地域で活動されている医師をはじめ様々な職種の方々との連携・協働も求められるようになりました。
「一般社団法人日本生活期リハビリテーション医学会」は、設立以来生活期のリハビリテーション医学・医療に関わる医師の研鑽の場として研修会、シンポジウムの開催を中心に活動を続けて参りました。研修会ではリハビリテーション科医とともに在宅医療を担い、リハビリテーションの知識・技術を深めたい方を対象としております。また令和6年度からは活動の幅を拡げ、学術集会を開催することになり、医師のみでなく多くの職種の方にも参加いただき、様々な情報発信そして交流の場となることを期待しております。さらに認定医制度も始まり、今年度初の認定医が生まれる予定となっております。
この度水間初代代表が退任され、私が二代目の代表となりました。本学会の発展に寄与して参る所存ですので、引き続きよろしくお願いいたします。
日本生活期リハビリテーション医学会が一層充実し発展して行くためにも、皆様のご入会を心よりお待ちしております。
一般社団法人 日本生活期リハビリテーション医学会 代表理事 菊地 尚久
2025年6月